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パワハラ防止法成立 罰則規定は見送り
2019.05.24

職場のパワーハラスメントの防止を企業に義務づける改正労働施策総合推進法が29日、参院本会議で可決、成立した。初めてパワハラを定義し、上下関係を背景としたパワハラは許されないと明記する一方、罰則規定は見送られた。具体的にどのような行為がパワハラに当たるかについて、厚生労働省が来年4月の施行までに指針を策定する。

 

改正法は、パワハラを「優越的な関係を背景に、業務上必要な範囲を超えた言動で労働者の就業環境を害する」と初めて定義。相談体制の整備や、被害者に対する不利益な取り扱いの禁止を企業に義務づけた。一方で、「業務上の指導との線引きが難しい」とする企業側の意向を受け、パワハラ自体を罰する規定は見送られた。今後、取引先からのパワハラや顧客からの迷惑行為に関する指針も定め、フリーランスや就職活動中の学生向けの対策を検討する。

 

セクシュアルハラスメントや、妊娠・出産に関するマタニティーハラスメントを巡っては、防止措置を取ることが企業に義務づけられている。これまでパワハラ防止については、企業の自主的な努力を促すだけにとどまっていた。

 

この日はセクハラとマタハラについても、それぞれ改正男女雇用機会均等法と改正育児・介護休業法が成立し、相談を理由にした解雇をはじめ、従業員を不利にする扱いが禁じられることになった。大企業に限定していた女性社員の登用・昇進などに関する数値目標の策定義務を中小企業に広げる改正女性活躍推進法も成立した。

 

厚生労働省によると、全国の労働局に寄せられる職場のいじめ・嫌がらせの相談は年7万件以上。予防や解決に向けて取り組んでいる企業は52.2%で、小規模になるほど対応が遅れている。今回の法改正は職場内での取り組みに主眼が置かれ、取引先との間で起こるハラスメントや、フリーランスの人、就職活動中の学生らへの対応は明確ではない。国際労働機関(ILO)は職場のあらゆるハラスメントを禁止する条約を検討中で、このままでは世界的な規制強化の動きに後れを取りかねない。

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