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同一労働・同一賃金ガイドライン
2019.07.12

同一労働・同一賃金ガイドライン案の概要

同一労働・同一賃金を含む働き方改革関連法が2018年6月29日に成立しました。同一労働・同一賃金とは、同一企業・団体における正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者等)との間の不合理な待遇差解消を目的とするものです。
ライフスタイルに合わせて、自ら非正規雇用を選択して働く人も少なくありませんが、それでも仕事内容に応じた、公平な待遇を求める人は多くいます。また、正規雇用を望んでいても、やむなく非正規雇用を続けている人からすれば、より強く公平な評価を求める傾向にあると考えられます。同一労働・同一賃金は、同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の、不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得できる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できる事を目指しています。
そこで、どのような待遇差が合理的なものとされ、どのような待遇差が不合理とされるのかを示すものとして、2016年12月に「同一労働・同一賃金ガイドライン案」が策定されました。

 

同一労働・同一賃金による基本給の均等・均衡待遇の確保

日本の一般的な賃金制度において、基本給の考え方は次の5つに分かれているといえます。
(1)年齢給・勤続給:労働者の年齢や勤続年数を基準とするもの
(2)職能給:労働者の職務遂行能力を基準とした、「人」基準のもの
(3)職務給:担当する職務(仕事)を基準にしたもの
(4)役割給:労働者の担う職務に対する期待役割を基準にしたもの
(5)業績・成果給:業績や成果を基準にしたもの

欧米では同じ職務であれば同じ賃金であり、それは同一企業ではなく他企業であっても同じという横断的な考え方が存在しますが、日本の目指す同一労働・同一賃金は、同一企業内での話に留まります。
上記(1)から(5)に示すそれぞれの趣旨・性格にあわせて、実態に違いが無ければ同一の(均等)、違いがあれば違いに応じた支給(均衡)を目指すのが、基本給の均等・均衡待遇の確保と考えられます。

 

同一労働・同一賃金による各種手当の均等・均衡待遇の確保

賞与

賞与とは定期または臨時的に一時金として支払われるもので、会社が規程等で自由に定める事ができます。しかし、会社の業績等への貢献に対して支給しようとする場合、正規雇用労働者と同一労働・貢献である非正規雇用労働者には、同一の支給をしなければならないとされています。ガイドライン案によると、業績や目標数値に対して、正規雇用労働者に対してのみ未達の場合に処遇上のペナルティを課しているような場合、その見合いの範囲内であれば同一賃金の考え方は当てはまらないとされています。また、賞与の趣旨を職務内容や貢献等に関わらず正規雇用労働者全員に支給している場合、非正規雇用労働者に対しても同一賃金の考え方を持たなければなりません。

 

役職手当

役職の内容、責任範囲・程度に対して支給するのが一般的ですが、役職の内容、責任の範囲・程度が同一の場合、同一の役職手当を支給しなければなりません。

 

その他の手当

業務の危険度や作業環境に応じて支給される特殊作業手当や、精皆勤手当、時間外(深夜)割増率、特定の地域で働く補償として支給する地域手当なども正規と非正規労働者の間で同一労働・同一賃金の考え方があてはまります。ただし、それぞれの手当の性格や趣旨に照らして、同一として考えられるのかはしっかり見定める必要があります。各種手当について定義を曖昧にしておくと、合理的な説明に欠けてしまう恐れがありますので、定義を明確にしておく必要があります。

 

教育訓練や福利厚生の均等・均衡待遇の確保、派遣労働者の取り扱い

食堂・休憩室・更衣室といった福利厚生施設の利用、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障、病気休職については、正規・非正規に関わらず、同一の付与・利用、法定外年休・休暇についても、同一の勤続期間であれば同一の付与が求められています。また、教育訓練についても、現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施する場合には、同一の職務内容であれば同一の、違いがあれば違いに応じた実施を行わなければならないとされています。
なお、派遣労働者について、派遣元事業者は派遣先の労働者と同一の職務内容等であれば、その派遣先の労働者に対しては同一の賃金支給、福利厚生、教育訓練の実施が必要とされています。

 

法施行の2020年4月1日までに、最新の情報に注意しながら準備が必要

正規労働者・非正規労働者間の賃金の違いを、多くの企業が「正規雇用労働者と非正規雇用労働者とでは将来の役割期待が異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる」という主観的・抽象的な説明に終始しがちですが、これだけでは同一労働・同一賃金の考え方には足りません。職務内容、配置の変更範囲、その他の客観的・具体的な実態に照らして合理的に説明できるものでなければなりません。
同一労働・同一賃金ガイドラインは異なる雇用形態間の待遇面の均等・均衡確保を目指して現在は案として策定されたものでありますが、法施行までに確定される予定です。それまでに規程の整備や職務内容の見直し、社内の意識醸成等をしながら最新の情報をキャッチアップしていく必要があるでしょう。

 

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